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Wednesday, May 28, 2008

根津公子先生の停職出勤レポート

                         Peace Journalist 菊野由美子

  2008年5月7日午後3時過ぎに、東京都八王子市にある南大沢学園特別支援学校へ根津公子先生の停職出勤を訪問した。3月31日処分発令では免職は避けられないと覚悟していたが、処分は「停職6ヶ月」。支援者と抱き合い、喜びをかみしめた校門前に座っている根津先生を見つけた。先生はこの4月からは東京都あきる野学園が赴任先だが、停職中は今までの赴任校にも足を運んでいる。
  南大沢学園特別支援学校の回りは閑静な住宅街で緑も豊かだ。校舎もとても立派である。その校門脇で挨拶をし、ご用意いただいた椅子に座ってお話を聞かせていただいた。






     日の丸不起立を続けることによって、地域組織やPTAからも非国民呼ばわりされることも多々あったという。しかし、今の日本人の生活は戦地に行った人々、戦争の犠牲者の上に成り立っていることを忘れないため、そして、「日の丸・君が代」の議論がタブー視されていることが、ナショナリズム、その延長線上にある軍国主義への道を知らないうちに許してしまうことに警告を発するために座り続けている。「強制するには目的があるはず。何をやるにも意識なくやるのはおかしい。なぜやるのか?なぜ当たり前なのか?と疑問視することをやめれば、洗脳は簡単に成功してしまう。それがこわいのです。」と言う先生の言葉を理解しようと考えていると例を出してくれた。「ここに出されたお饅頭を、よかったら食べて下さいと言われたら食べるが、絶対に食べなさいと言われたら食べない。」なるほど・・・・。
そして私の質問に対する根津先生の答えに、今まで気付いていなかったことに気付かされ衝撃を受けた。


菊野 「私の故郷にも先生をしている友達はいますが、今のところ“日の丸・
     君が代”は厳しく ないようです。地方にまで厳しくなる前になんとか
     できないものでしょうか・・・」

根津先生 「厳しくないのは、もうすでに全員が立ってるからですよ。」


疑問を持たずに従えば波風は立たない。しかしその代償は計り知れずに大きなものになりかねない。今ならまだ間に合う。






   話している間に、何人かの生徒たちが下校していく。一人一人に声をかける根津先生。生徒たちは元気に「さようなら。」と返事をしてくれる。中にはまた駆け寄って戻ってくる生徒もいた。根津先生の存在が生徒や私を含めた大人にも、自分の力で考えるという思考力に刺激を与えてくれる。そして少しずつ周りにも変化があるようだ。東京都の職員でも、部署を離れたとたんにビラを受け取ってくれたり、警備員や食堂の職員の中にも支援者がいる。
  5時になり、今日の「停職出勤」も終わりである。駅まで根津先生に送っていただいた。私の質問に丁寧にお答えいただきほんとうにありがとうございました。お会いできてよかったです。先生が教壇に立って授業しているところを早く取材したい、と思いながら南大沢駅を後にした。

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