To view articles in English only, click HERE. 日本語投稿のみを表示するにはここをクリック。点击此处观看中文稿件한국어 투고 Follow Twitter ツイッターは@PeacePhilosophy and Facebook ★投稿内に断り書きがない限り、当サイトの記事の転載は許可が必要です。peacephilosophycentre@gmail.com にメールをください。Re-posting from this blog requires permission unless otherwise specified. Please email peacephilosophycentre@gmail.com to contact us.

Thursday, July 21, 2011

ベラルーシの放射線防護研究所による「農作物への放射能対策」 "Countermeasures against radionuclide for agricultural products" by a Belarus radiation protection organization

ベラルーシの放射線防護研究所、「ベルラド研究所」による「農作物への放射能対策」の日本語版が発表されました。コーディネート・編集・翻訳を担当した大下雄二さんから提供された日本語版をここに掲載します。研究所所長のネステレンコ博士は、ロシア語の原文を英語に訳してくれたということで、この日本語版は英語版からの翻訳ということです。東北をはじめとする日本の農業関係者の方にぜひ紹介してください。ベルラド研究所は、「もし皆様が農作物等への放射能の取り込みを低減させる技術を直接詳しくお知りになりたいのならベルラド研究所では日本からの招待を受ける用意があります」と言っています。詳しくは下記をご覧ください。

(このブログの関連過去記事:アレクセイ・ヤブロコフ「過小評価ではなく影響を最小限にする対策を」

論文は以下に画像ファイルで掲載しているほか、下記リンク(Google Doc)からダウンロードできます。



日本の皆様へ

私は、地震と津波による犠牲者とそのご家族の皆様に心より同情申し上げます。また福島第一原子力発電所事故の大災害により被害を受けられた皆様に、全く同じ魔の放射能の中にほぼ 25 年の間曝されてきたベラルーシの人々を代表しまして、私は皆様がくじけず自信を失われないことを願っております。また私どもが得た、以下にお示しした経験がいくらかでも貴国においてお役に立てますよう心より願うものであります。私たちは生き抜くことが出来るのです!

ベルラド研究所所長 アレクセイ・ネステレンコ

2011年7月20日
所長のネステレンコ博士のメッセージで始まるこの論文は、「1.表土の改善」、「2.土地の抜本的改良」、「3.菜園と庭では、次のアクションを実行するのが、望ましい」の3部からなり、チェルノブイリ事故による汚染に対処した長年の経験と調査研究にもとづいた具体的な農地の放射能対策を提案しています。

最後の団体紹介の部分と、子どもの内部被曝を軽減した実績のあるペクチン食品混和剤「ヴィータペクト」の紹介がありますので抜粋して紹介します。

放射線防護研究所“ベルラド”について

放射線防護研究所“ベルラド”(ベルラド研究所)は、1990 年に政府とは独立した組織として設立されました。ベルラド研究所がゴールとするところは、チェルノブイリゾーンの住民や食品等の放射能をモニターすること、放射能の測定管理の発展に寄与すること、放射能によって汚染された地域の人々に対して必要な科学的調査を実施することによって放射能から人々を守ること、またこれら実施内容の結果をより発展させ組織化することです。

研究所の科学的活動の主な目的について

・子供たちの体内のセシウム 137 の蓄積をホールボディカウンダーにより監視し、ペクチンの服用により放射能から守ること。
・食品に含まれる放射能を管理する地域センターをネットワーク化し、放射能の危険を人々に知らせること。
・ベラルーシでの放射能に関わる事業として線量計や食品に含まれる放射能を検査する機器の製造とその発展に関わること
・ペクチン食品混和剤“ヴィータペクト(Vitapect)”の生産に関わること
・子供たちを放射能から守るため、チェルノブイリ地域の教員や親に対する放射能環境教育のためのセンターを組織すること

1990 年よりベルラド研究所は、地方放射能管理センター(LCRC)において、食品に含まれるセシウム 137 の測定を行っております。LCRC は、チェルノブイリの被害を克服するため国家委員会から経済的な支援を受けた(学校や救急施設などの)地方協議会により設立されました。これら LCRC は、チェルノブイリ原発事故によって影響を受けたゴメリ、ブレスト、モギリョフ、ミンスクの各地域で最も大きな村々によって作られました。現在ベラルーシでは 83 の LCRC があり、内 23 はドイツからの人道的経済支援により運営されています。ベルラド研究所のデータバンクは、食品に含まれる放射能の検査データを 32 万件以上有しております。私どもは、セシウム137のレベルが、放射能の共和国公衆上限レベル(RDU)を超えないようにする技術を確立し、この技術はホールボディカウンターで子供たちの体内組織にある放射性同位体を確定し監視する場合の基本としています。研究所では、ホールボディカウンター研究室(WBC)を設立し、ベラルーシ共和国研究施設認証システムにより、その独自性と技術的能力に対して認証を受けました。(認証番号 BY/112 02.1.0.0385)研究室が所有する全部で 7 機のホールボディカウンター(SCRINNER-3М)とマイクロバスは、ドイツ、アイルランド、アメリカ、ノルウェイのチェルノブイリ慈善団体による経済援助により購入されました。
ベルラド研究所 農作物への放射能対策

研究所では、遠征隊を組織し、ベラルーシ共和国内のチェルノブイリで汚染された地域の学校で子供たちの体をホールボディカウンダーでの測定や、子供たちの遊び場の放射能の測定をしています。1996 年から 2001 年には、ベルラド研究所ではゴメリ、ブレスト、ミンスク、グロドノ、ビテブスクの各地域で12万 5000人以上の子供たちの体をホールボディカウンターで測定しました。この子供たちの測定結果は、放射能への防護対策を実施するためにベラルーシ共和国の厚生省や地方自治体へ送られます。体内の臓器に広い範囲で放射能が蓄積している子供たちのリストは、ベラルーシやアイルランド、ドイツ、フランス、アメリカ、オーストリアの慈善団体に提示され、改善が必要なグループの中に入れられます。

2000 年の 4 月からベルラド研究所は、ベラルーシ厚生省の認可を受け、ペクチン食品混和剤のヴィータペクトの製造を開始しました。ヴィータペクトは、りんごペクチンをベースとして 7 種類のビタミンと 4 種類の微量元素から成っています。フランスやウクライナでも同様のものが製造されていますが、ヴィータペクトはそれより 2 分の 1から 3 分の 1 位価格が安くなっています。ヴィータペクトは放射性核種や重金属を体内の臓器から効果的に取り除きます。2001 年 6 月、当研究所は、フランスの医師らと共同でヨーロッパ基準に基づいた二重“ブラインド”メソッドによるヴィータペクトの効果を実験しました。

これによると 21 日間に渡って子供たちにヴィータペクトを服用させたところ 32 人の子供たちの体内からセシウム 137 が(平均で)66%減り、一方で同時に偽薬を服用したグループではわずか14%しかセシウムが減らないという結果となりました。もし皆様がこのような情報に関心を持たれたのなら、もし食品の放射能を検査されたいのなら、またホールボディカウンターで測定をされたいのであれば、もしくはヴィータペクトを手に入れたいとお考えであるならば“ベルラド”放射線防護研究所にご連絡いただくかお越しになっていただきたいと存じます。

もし皆様が農作物等への放射能の取り込みを低減させる技術を直接詳しくお知りになりたいのならベルラド研究所では日本からの招待を受ける用意があります。

ベルラド研究所の連絡先:

住所: 2 Marusinsky pereulok 27. Minsk. 220053. Belarus
電話番号: +375 17 289 03 83 Fax: +375 17 289 03 84
E メールアドレス: belrad@nsys.by  (お問合せ等は英語でお願いします)
U R L: http://www.belrad.nsys.by/ 

この論文の日本語版製作者氏名:

コーディネート・編集・翻訳:大下 雄二
(連絡先 radecontamination@gmail.com )
翻訳協力:中野 廣幸(産業通訳・翻訳・一般計量士)
以下、本文です。各ページはクリックすれば大きく見られます。文書はここからもダウンロードできます。


3 comments:

  1. いつもありがとうございます。
    「農作物への放射能対策」画像では page 8 がぬけています。p.7 のつぎが p.9 になっています。

    ReplyDelete
  2. ご指摘ありがとうございます。P.8挿入しました。ご確認ください。

    ReplyDelete
  3. page 8 を確認しました。
    早速ありがとうございました。
    こちらのブログで紹介させていただきました。
    http://pub.ne.jp/tarojii/?entry_id=3793719

    ReplyDelete